井上日奈季の日記

基本的には世界に何かを発信する用では無く、どこからでも確認可能な個人用のメモと言う扱いです。

今さらVブレーキの調整

今さらながら、廉価スポーツサイクルではまだまだ採用実績も多いVブレーキについて記述していく。

前提条件としてホイールに縦振れ、横振れが無く、センターが出ている事。

基準点がズレているのを調整でごまかしても想定された性能を発揮する事はない。

 

シューの偏摩耗を防ぐ

 

コレが自分の足用MTBの前ブレーキ。

改めて見るとリードパイプが水平に入っていないとか、まぁ突っ込み所はある。

フリーハンドなので左の赤線の曲がりは勘弁してください。

シマノのマニュアルだと(A)を32mm以上と曖昧に規定しているが、ブレーキシューは赤線のアームの位置を基準に取付けられている。

シューがリムにタッチした時点で赤線が垂直だと、シューが減っていくと赤線が内側に傾くので赤線を基準に動くブレーキシューも同様に傾く。

リムはそのままなのでシューが減っていくとシューの上側を多く削るように斜めに減って、斜めに削れると断面が長くなる。

[z]を規定しているのはその所為。

ちなみに上の画像はシューがリムに触れた時のアームの初期位置が内側に傾いているのでブレーキシューは下が多く残って上が多く削れる偏摩耗になるセッティング。

なのでシューの偏摩耗を防ぐ為にはリムにシューが当たった状態の時にアームのシュー取付け面が垂直よりも少し開いている程度が理想。

普通は球面ワッシャーの受けの左右の厚みの入れ替えで調整、それでも調整しきれない場合はフレームに対してリムが細過ぎると言う事になるかと。

 

球面ワッシャーの受けの厚みの差は2mmとか、その程度差でも結構違ってくるのでホイールのセンターがズレているのもアームの左右の傾きに影響が出たり、それを左右の片効き調整のボルトで強引に調整したり、左右でスペーサーの厚みを変えてごまかそうとしても上手くいかない。

 

ブレーキシュー固定時にシューが共回りしてしまう問題。

 

ブレーキシュー固定時にナットを締めると共回りしてしまうのは、締め付けていくとボルト、ナットの雄ネジと雌ネジの間の摩擦が大きくなって回転力が伝わってしまう。

雄ネジ側に潤滑スプレーを吹いてティッシュペーパーでしっかり拭き取る、

雌ネジ側に極薄くグリスを塗ってから拭き取る等、垂れないように極薄くの潤滑皮膜を用意すれば共回りは非常に少なくなる。

ワッシャーやボルト、ナットの座面の摩擦の方が大きければ共回りしない。

潤滑皮膜の塗布の際に座面に潤滑剤が付着すると緩みやすくなる原因の一因にもなるので作業は慎重に。

 

Vブレーキの右レバー→前ブレーキのケーブルルートでの鉄板は135°リードパイプで若干前逃がし。

俺のように90°リードパイプを曲げ直して強引に前ブレーキに使用するのはお薦めできない。

(135°リードパイプは買ってはあるが、アウターも用意し直しなのでインナー劣化したらやり直す予定)

ブレーキシューの表面は使用によって表面が硬化したりアルミリム表面が劣化して剥がれた物が刺さったりするので、定期的に点検し表面を削り直して新しい面を出す、刺さっている異物を針先で除去する等のメンテナンスを行うと制動時の初期タッチが新品に近い位に回復する。

アルミリム表面も制動時の摩擦で表面が荒れて、剥がれかけている部分もできる。

マニア的にはHOZANのラバー砥石が定番だが、

ダイソーのサビ取り消しゴム

https://jp.daisonet.com/products/4550480064178

で水研ぎしたらリム表面もきれいにできる

研磨する際にリム表面を良く確認して、剥がれかけた部分があったら先に剥がしてしまうと、アルミ片がブレーキシューに刺さる事を回避できる。